2017年2月13日月曜日

トルクメニスタン大統領選挙実施

北朝鮮による弾道ミサイル発射で日米韓が騒然となった昨日2017年2月13日、「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれることもある中央アジアのトルクメニスタンで大統領選挙が行われていました。かの国が「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれる所以は、前代ニヤゾフ大統領、そして現在のベルドイムハメドフ大統領による個人崇拝的な権威主義的独裁体制を敷いているからです。ただ、かの国は天然ガス資源を有しており、北朝鮮のように貧しい国家とは言い難い他、「永世中立」を宣言しており国際社会に特段影響力を発揮しようとしないのが、北朝鮮と異なる点です。

今回2017年のトルクメニスタン大統領選の概観には、以下のNHKの記事が適しています。

トルクメニスタン大統領選 現職の3選が有力視
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170212/k10010874211000.html

トルコ国営放送TRT日本語版でも、この事を取り上げていました。
  
今日はトルクメニスタン大統領選挙投票日、320万人が投票所へ
http://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2017/02/12/jin-ri-hatorukumenisutanda-tong-ling-xuan-ju-tou-piao-ri-320mo-ren-gatou-piao-suo-he-670582 
淡々とした記述で、特に否定的な事は書かれていません。

私がNHK BS1「キャッチ!世界の視点」内で視聴したロシアTVのニュースでも、トルクメニスタン大統領選挙に関しては「民主化路線を推し進めている」とのアナウンスがなされていたり、有権者の好意的な声を紹介したり、CISやSCO(上海協力機構)の選挙監視団が派遣され選挙が民主的に行われた旨を報じるなどしていました。ロシアがトルクメニスタンの権威主義的独裁政権が安定して続いて欲しい事を示しているかと存じます。

気がかりなのが、かの国の経済です。先に紹介したNHKの記事内より引用します。
(引用開始)
世界4位の天然ガスの埋蔵量が確認されているトルクメニスタンは、ここ数年のエネルギー価格の低迷などで成長にブレーキがかかっていて、資源依存からの脱却が課題となっています。
(引用終了)

2011年頃のいわゆる「アラブの春」で中東の権威主義的独裁体制が続々と倒れた要因は、それらの体制がリーマンショックに伴い、国民に十分にペイできなくなった事と言えるかと思います。それだけに、今後もベルドイムハメドフ政権が国民に不満を抱かせないだけの十分なペイが可能な体制を構築できるかが焦点となるかと存じます。

(追記)
大統領選の結果の詳細がわかりました。以下、NHK記事です。

トルクメニスタン大統領選 現職3選 約98%の得票

あまり目新しい記述はありませんが、最後に気になるものが。
(引用開始)
ベルドイムハメドフ大統領は、これまで産業の多様化を目指すうえで、日本との協力を重視していて、おととし行われた安倍総理大臣との首脳会談では、ガス処理プラントの整備事業に日本企業が参入し、両国の協力を進めていくことで一致しています。
(引用終了)

権威主義的独裁体制であること、並びに中央アジアには中国資本の進出も目立つことから、一筋縄ではいかない案件かとは思いますが、こちらにも注目したいところです。おそらくは、トルクメニスタン側にも中国への依存度を下げるという観点で、利益があるものと思われます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。