2017年4月26日水曜日

ハッカー集団、ISIS系Twitterアカウントを乗っ取りゲイポルノでTLを埋め尽くす

公安調査庁のウェブサイトでISIL(ISISの方がより一般的に知られる名称かと思いますが)の項目を見る限りでは、彼らは独自の極端な解釈によるイスラム法にのっとって行動している旨(http://www.moj.go.jp/psia/ITH/organizations/ME_N-africa/ISIL.html).そんなISISやその支持者にとり、同性愛は受け入れがたい存在です。

そんな状況の中、ロシア国営プロパガンダメディアであるスプートニクが次のような記事を配信していました。

ハッカー 「ダーイシュ(IS)」フォロアーに「ゲイポルノ」を配信
https://jp.sputniknews.com/incidents/201704263577791/ 
(引用開始)
ハッカー集団「WauchalaGhost」が国際テロ組織「ダーイシュ(IS,イスラム国)」の支持者に所属するツィッターの250以上のアカウントに潜入し、男性同性愛者の写真や「ゲイポルノ」のリンクを配信した。インディペンデント紙が報じた。
(中略)
「WauchalaGhost」はテロリストのプロフィールの追跡には1年半を要したが、実際の潜入を思い立ったのは米オーランド州のゲイナイトクラブでの乱射テロの後だと明かしている。このテロでは49人が死亡し、米国史上最悪の銃撃事件に発展した。潜入したハッカーらに対して、「ダーイシュ」は斬首を脅迫している。
(引用終了)

配信元がプロパガンダメディアであるスプートニクですので、裏を取らねばなりません。
確認してみたところ、このケースでは確かに英インディペンデント紙はそうしたニュースを報じていました。

Hacker takes over 200 Isis accounts and fills them with gay porn
https://www.indy100.com/article/wauchalaghost-isis-profiles-gay-pornography-twitter-accounts-terrorism-7699916 

記事を読むに、ハッカー集団 'WauchalaGhost'は、250ものISIS系アカウントを乗っ取り、ゲイポルノ画像やゲイポルノへのリンクをツイートしたようですね。斬首を脅迫されている旨は、CNNのインタビューで語られた内容のようです。

スプートニクが、ゲイポルノを題材とした日本のネットミームである「淫夢」を知った上で日本語で報道したのかは定かではありませんが、結果的に「淫夢」を知る日本のネットユーザーにとりエンタメ要素も含んだ「面白い」報道であった事は確かであろうと思います。

気がかりなのは、当のゲイの人々がこの事をどう考えるか、という事ですね。
多くの日本のネットユーザーと同様「淫夢」ネタを頻繁に用いる私が申し上げるのも気が引けるのですが、この件は言わばゲイをISISへの嫌がらせの手段として用いた行為であり、例え相手がISISであろうとも倫理的にも、性的マイノリティの人権を考える上でも問題があると考えております。 

2017年4月17日月曜日

BBC生放送中にお子さんの乱入を受けた教授、アルジャジーラでは無事回避

BBC生放送中にお子さんの乱入を受けた、釜山大ロバート・E・ケリー教授の事は過去に記事にした通り(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/03/bbc.html)ですが、今度はアルジャジーラに出演されたそうです。

そう、「あの部屋」で。

英紙テレグラフが詳細を報じています。

'That door is triple padlocked': BBC interviewee who was gatecrashed by his children causes a stir in new appearance  

米国が空母カールビンソン機動部隊を北朝鮮へと差し向ける緊迫した情勢下、金日成生誕105周年記念祝賀軍事パレードを遂行した北朝鮮に関してインタビューに応じる教授ですが…

視聴者の目は当然「あのドア」に注がれています。

「あのドア3重に南京錠かかってんじゃん!」といったツイートもありますね。

私たちの期待に反し、悲しい事に今回は可愛らしいお子さんの乱入はありませんでした…。


ロバート・E・ケリー先生の次回作にご期待ください!といったところでしょうか。

なお、例のBBC生放送出演時には以下のような予告ツイートがあったのですが、 今回のアルジャジーラご出演に関しては予告ツイートは見当たりませんでした。この数日が、朝鮮半島研究者にとり非常にお忙しかった事の表れなのでしょうね。


2017年4月14日金曜日

米軍 アフガニスタンでMOABを初実戦投入

通常兵器としては、米軍が保有する中で最大の威力を誇る爆弾MOABが、遂に実戦投入されました。2017年4月13日の事です。

そもそもMOABとは、具体的にどのような爆弾なのでしょうか?FOXニュースがわかりやすい記事を出していました。

What is the MOAB? 
http://www.foxnews.com/politics/2017/04/13/what-is-moab.html 
・MOABとはMassive Ordnance Air Blast bomb,もしくはMother of All Bombsの略知られている。
・重量は2万1000ポンド、炸薬量は1万8000ポンド(約8.1tだそうです)
・試験は2003年に行われ、配備は2008年になされた。実戦投入は初
・米軍が保有する通常兵器の中では最大の威力
・その威力は小型の核兵器にも匹敵するほど

だそうです。

さて、今回MOABは何の為に使用されたのでしょうか?
イスラエル紙ハーレツのサイトがよくまとまっている印象です。

U.S. Drops MOAB, 'Mother of All Bombs,' in Afghanistan
http://www.haaretz.com/us-news/1.783362
記事によりますと、MOABは米空軍の特殊作戦輸送機MC-130からアフガニスタンのNangahar県Achin地区に存在する、ISIS系統の武装勢力ISIS-K(Islamic State Khrazan)のトンネル網に対して使用され、効果を上げたとの旨です。

テロリストの人員移動や物資輸送に使用される地下トンネル網は非常に厄介な存在ですから、大威力の爆弾を用いて一掃しようと試みるのは、軍事的合理性にかなった行為と言えるかと存じます。

軍事目標に対して行われた攻撃であり、国際人道法上何ら問題はないと考えますが、コラテラル。ダメージが無いか気になるところではあります。

2017年4月13日木曜日

中国 シリア化学兵器攻撃非難決議棄権の衝撃

国連安保理におけるシリア非難決議採択において、中国は拒否権を行使せず棄権という選択肢を取ったそうです。以下のロイターの記事がよくまとまっています。

シリア非難の安保理決議案、ロシア拒否権で否決 中国は棄権
http://jp.reuters.com/article/mideast-crisis-syria-un-veto-idJPKBN17E2VJ 

中国の行動に影響を与えたのが、先の米中首脳会談であった可能性があるかと思います。
 以下、時事通信の記事より引用します。

 中国主席、異例の軍事力行使容認=シリア攻撃に「理解」
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017040800347 
(引用開始)
ティラーソン米国務長官は7日、中国の習近平国家主席がトランプ大統領との首脳会談の席でシリア・アサド政権への軍事攻撃について知らされた際、「子供が殺害されている時にそうした対応は必要だ」と述べ、「理解」を示したと明らかにした。中国首脳が他国への軍事力行使を容認する発言を行うのは極めて異例だ。
(中略)
 トランプ氏は6日夜に行われた夕食会の終盤で習氏に対し、シリアへの攻撃を実施したことを伝達。アサド政権が化学兵器で女性や子供を殺害したことへの対抗措置であるとの理由を説明し、発射した巡航ミサイルの数も伝えた。習氏はトランプ氏が情報を提供したことに感謝の意を述べたという。
(引用終了)

さて、中露間に隙間風が吹いているのか…?と言われると判断に迷うところです。
BBC日本語版の記事より引用します。

ロシア、国連安保理のシリア非難決議案に拒否権 各国は反発
http://www.bbc.com/japanese/39586021 
(引用開始)
さらに、中国が非難決議案に棄権したことについては、「素晴らしい」と言い、前の晩に習近平国家主席と電話会談していただけに「驚いていない」とも付け加えた。
(引用終了)

個人的には、中国はロシアとの関係悪化を避ける為、この種の安保理決議ではこれからも棄権もしくは拒否権を用い、賛成はしないのであろうと予測しております。

同じくロシアと関係悪化を避けたい日本は…例えばシリア化学兵器関連でG7で対露制裁をしようとなった時、どうするんでしょうかね…

2017年4月12日水曜日

水タバコの危険性という死活問題

タバコなんぞ健康に悪いに決まっているのは重々承知しているのですが、それでも周囲の方々に副流煙でご迷惑をかけないよう気を付けつつ、癒しを求めて日々味わっております。

私が好むのは葉巻と水タバコ。葉巻に関しては過去に記事にしました(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/02/blog-post_4.html)。葉巻は主に自宅で味わっておりますが、水タバコは専門のカフェにて吸っております。

水タバコ独特の、一度水に通ったまろやかな煙を吸うのはまさに至福の時。非常にリラックスでき、日頃の苦労も忘れさせてくれます。カフェの店員さんや他のお客さんと会話も楽しいもの。どういうわけか、海外の方が水タバコ屋さんに来店することも多く(アラブ系の方だけでなく、欧米、アジアと様々な地域の方がいらっしゃいます)、ちょっとした国際交流も楽しめます。そんなわけで、今の私にとって、水タバコは無くてはならないものの一つとなっているのです。

そんな中、悲報が飛び込んできました。
以下、野口雅昭先生のブログをご覧ください。

水タバコの危険性
http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/5200101.html
(引用開始)
水田たばこは大量のニッケルとかクロームとかコバルトとか鉛を含んでいて、さらに甘い味にするために砂糖類を混ぜるため、これがニコチンと作用して害を高める由
また、水たばこの煙は、水を通るから無害になると信じられているが、これは全くの迷信で、煙の中の有害物資は濾過されない由。
場合によっては紙たばこの50倍もの害がある由
(中略)
当方も、昔は「迷信」を信じて、うまそうに吸っていたので、何とも書きにくい話ではありますが、胸部学会会長の話であれば、そうなのでしょう。
(引用終了)

さて、困った事態になりました。
まさかこれほどの重金属が含まれているとは思ってもみませんでしたし、私も一部「迷信」を信じておりまして、少なくとも発癌物質のタールは水に溶けて身体には入らないと思っていたのです。

また、WHOも水タバコに関しては警告を発しているとのこと。以下のURLをご覧ください。

WHO EMRO | Waterpipe tobacco smoking | Publications | Tobacco
http://www.emro.who.int/tobacco/publications/waterpipe-tobacco-smoking.html

まあ、これだけ健康被害に関する情報があっても、水タバコ屋さんには癒しを求めて足を運ぶんですけどね。

喫煙に関しては、やや日刊カルト新聞の藤倉さんのこちらの記事も面白いですよ。

やや日刊カルト新聞: 日本脱カルト協会理事・瓜生崇をやや日刊カルト新聞が永久追放=喫煙者へのヘイトスピーチで
http://dailycult.blogspot.jp/2017/04/blog-post_11.html

2017年4月11日火曜日

ユナイテッドとは正反対? JALに神対応を受けた思い出

本日、Twitter上ではユナイテッド航空がオーバーブッキングを起こし、乗客を無理やり降ろした事件の話題でもちきりでしたね。こちらのニューズウィークの記事など、詳細がよくまとめられているかと思います。

オーバーブッキングのユナイテッド航空機、乗客引きずり出しの一部始終
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7376.php 

何の落ち度も無いのに、航空会社から酷い仕打ちを受けた東洋系の乗客の方とは正反対に、私はJALから神対応を受けた思い出があります。昨年11月、羽田から熊本へJAL便を利用した際の話です。

出発当日、私は体調不良に見舞われ、その結果13時頃に出る熊本行の便に間に合わなくなってしまいました。飛行機が出る直前の12時半にJALにその旨を電話で伝えたところ、「羽田のカウンターに連絡しておきます」とのお返事を頂きました。

13時過ぎ、羽田空港のJALカウンターに到着した私。
近くにいらした係員の方に、「事前にお知らせがあったかと思いますが、体調不良により飛行機に乗り遅れてしまいました。大変申し訳ありません。」との旨をお伝えしました。

(やはり次の便のチケットを購入して熊本へ向かう他は無いのだろうか…?)と覚悟していたところ、係員の方からは次のようなお返事が。

「体調が優れなかったという理由であれば、やむを得ない事情と判断します。次の便に振り替えます。」
私はただただ、「本当にありがとうございます」と繰り返しておりました。これが神対応第1弾です。

そして、係員の方からこのようなご提案が。
「現在、1000円プラスでご座席のアップグレードを行っているのですが、いかがでしょうか?」
神対応を受けたお礼に、このご提案を私は喜んでお受けしました。

そして、振り替えて頂いた便に乗り込み、アップグレードして頂いた座席を見た私は驚きました。

 「ファーストクラスじゃないか!?」



まさか飛行機代に1000円足しただけでファーストクラスの座席に座れるとは… これが神対応第2弾です。

こうして私は、フカフカのファーストクラスの座席で、ゆったりと熊本までの空の旅を楽しむ事ができたのです。ファーストクラスに座るなど、私の人生でこれからそう何度もあることではないでしょう。

ファーストクラスからの眺めは絶景でした。噴火していた阿蘇山も撮影できました。

今回のユナイテッド航空の件と、私が経験したJALの臨機応変かつ顧客を重視して頂いたサービスを比較するに、日本のサービスもまだまだ捨てたものではないな…といった印象です。

もちろん、過剰なサービスが「ブラック化」に繋がらないよう、注意しなければなりませんが。

そして、もし飛行機に乗り遅れてしまうような事態に陥ったら、まずは落ち着き、飛行機の出発前に航空会社に電話連絡を行う事も重要なのだろう、と感じました。




2017年4月8日土曜日

「違法だが正当」であったトマホーク59発の悩ましさ

化学兵器使用が招いたトランプ政権による59発のトマホークによるシリア空軍基地攻撃。

これでアサド政権が、再度化学兵器を自国民に対して使用する可能性は低くなったのは間違いないと考えます。その面で、シリアの市民はある種の救いを受けたと感じます。

しかし悩ましさは残ります。59発のトマホークによるシリア空軍基地攻撃は、国連安保理の決議を経ておらず、国際法上違法な武力の行使であったと考えられるからです。

朝日新聞紙面において、日本を代表する国際法学者でいらっしゃる最上敏樹先生の論考が掲載されています。本日は、この論考に深く考えさせられました。

(耕論)米国に正義はあるのか
 ■違法な武力行使、効果も疑問 最上敏樹さん(早稲田大学教授)
 http://www.asahi.com/articles/DA3S12882097.html
大部分は登録しないと読めませんが、このご時世、大手の朝日新聞ですらなかなか経営が厳しい状況ですから、ここは一つ登録して読んであげてください。

無料で読める部分から多少引用します。私個人は、今回の対アサド政権軍事行動が「人道的介入」に該当するとみなせるのではないかと考えたのですが、最上先生はそれに否定的です。
(引用開始)
人道的介入は、2005年の国連総会の特別首脳会議で「保護する責任」という形で理念が認められました。極端な迫害や虐殺が行われているのに、その国が市民を保護する能力を持っていない、あるいは政府自身が迫害を行っている場合に、他の国が武力行使をしてでも、市民を守ることができるという考え方です。武力行使は様々な方策が尽くされた後の最後の手段で、国連安全保障理事会の決議を踏まえるべきだとされています。今回の攻撃は十分な手続きがなされておらず、国際法上、違法な軍事行動といえます。
(引用終了)

全文をお読みになった方はお分かりかと思いますが、最上先生ご自身もまた、国際法の範囲内で現実的に可能な改善案を提示していらっしゃいます。

しかし、この改善案をもってしても、今そこにあるシリア内戦という人道危機に対して、そしてアサド政権に対して充分な措置が取れると思えないと感じたのもまた事実です。

国際法は各種不充分な、限界のあるものだと思います。そして、シリア内戦で数多くの不充分な側面が露呈している、と感じます。


2017年4月7日金曜日

シリアで使用された化学兵器は何だったのか? 国境なき医師団による報告

遂には59発ものトマホークがシリア空軍基地に撃ち込まれる事態となった4月4日のシリア・イドリブ県における化学兵器使用事件ですが、国境なき医師団が興味深い分析を公表しています。

多くの組織が、使用されたのはサリンであるとする中、国境なき医師団はサリンと塩素双方が使用されたと報告しているのです。現地に派遣されている海外医療組織は限られる為、興味深い分析かと思います。


シリア:イドリブ県に対する空爆で、患者に化学物質被害の症状
(引用開始)
 8人の患者が瞳孔の収縮、筋肉の痙攣(けいれん)、失禁などの症状を見せており、サリンガスなどの神経毒にさらされた際のものと一致する。MSFは薬と解毒剤で患者を治療するとともに、救急科の医療スタッフに防護服を提供した。
また、MSF医療チームは攻撃被害者が治療を受けている他の複数の病院を訪れ、患者から漂白剤の臭いがしたと報告。塩素にさらされた可能性がある。
これらの報告により、ハンシャイフンの攻撃被害者は少なくとも2種類の化学物質に暴露したことが強く疑われる。
(引用終了)

使用されたものがサリンであれ塩素であれ、アサド政権の行った化学兵器攻撃がシリアが加盟している化学兵器禁止条約に違反するものである事に違いはありません。

しかし、塩素は平和利用が可能な為(皆様が飲用している水道水も塩素で消毒がなされたものですよね)化学兵器禁止条約加盟国であっても保有が容認されているのに対し、サリンは平和利用が不可能な物質であり、破棄が義務付けられます。 そして、OPCWの査察により、サリンを含めたシリアの化学兵器は全て破棄された事となっているのです。

要するに、アサド政権にとってみれば、査察を逃れ隠し持っていた貴重なサリンをわざわざ今回の攻撃に投入した事となります。国境なき医師団の報告が正しければ、塩素でかさ増しをするという形をとって…

化学兵器攻撃がなされたハンシャイフンはそれほど重要な地区であったのでしょうか?

(追記)
舌足らずな表現で語弊を招いてしまいました。
私個人は、サリンと塩素の混合ガスではなく、サリン弾・塩素弾双方が投下されたものと考えております。

2017年4月4日火曜日

シリア イドリブ県における化学兵器使用に関する備忘録

シリアで新たに化学兵器が使用された模様です。日本語で読める報道としては、以下のAFPの記事など良いかと思います。

ガス攻撃で35人死亡、シリア反体制派支配地域の町で


また、化学兵器の犠牲となった子どもの遺体とされる映像がネット上に流れています。
ショッキングな内容ですので、ご覧になる際は充分に注意を払って頂ければと存じます。

ご遺体の映像を見るに、皮膚がただれるなどの症状は見られません。

AFP記事を読むに、おそらくはアサド政権による攻撃なのだろうと推測します。

アサド政権は2013年の化学兵器禁止条約加盟以後は、兵器として主に塩素ガスを使用してきたと認識していますが(条約違反)、今回も塩素による攻撃なのでしょうか? 

(追記)
軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんより、使用されたのがサリンである可能性もある旨をご指摘頂きました。この場を借りて、感謝申し上げます。

サリンの類の化学兵器は、OPCWの査察によって全て廃棄された事になっておりますので、アサド政権が査察の目を逃れサリンを隠し持っていたとなると、化学兵器禁止条約上問題です。

2017年4月3日月曜日

トランプ政権の対ISIS新戦略の総括(BBC日本語版より)

2月の半ばにCNNが「米国防総省が対ISIS大規模地上部隊派遣構想を大統領に提出するかもしれない」旨を報じて以降(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/02/cnn.html)、気になったので関連したニュースを集めてきました。報道直後には、(ひょっとすると万単位での地上部隊派遣もありうるのでは)とすら考えていましたが、結果は違ったものとなりました。BBC日本語版が総括記事を出しています。

米国の「新たな対IS戦略」、その実像は
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39475692 
記事をご覧になれば分かるように、 BBCはトランプ政権対ISIS新戦略を「オバマ・プラス」と評価しています。オバマの対ISIS戦略は「特殊部隊と空爆による現地部隊支援」とでも表現できるのでしょうが、 トランプ政権の場合はそれを拡大し継承しているといった印象です。

過去のブログ記事(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/03/blog-post.html)においてワシントンポストの記事を一部和訳し、「これだけ見るとオバマ政権の対ISIS路線を継承・拡大しているような印象です。」との感想を述べましたが、この見方は大まかには当たっていたようです。

一方、別のブログ記事(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/03/isis-322-is822500.html)では、「この2500名のクウェート派遣が、トランプ対ISIS新戦略の嚆矢となるのでしょうか?」との感想を述べましたが、これは見方を外したようです。

1月26日付の過去記事(http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/01/blog-post_26.html)ではトルコの重要性について述べましたが、以下引用するBBC記事と比較してみると、そこまで的外れでもなかったかなぁ、といった印象です。
(引用開始)
 ひとつ違うのは、シリアの避難民を保護する「安全地帯」の設置に対する姿勢だ。オバマ前政権は断固反対していた。それに対してティラーソン国務長官は漠然とした表現ながら、「暫定的な安定区域」をトルコやヨルダンとの国境沿いあたりに設置する可能性を示唆している。ただし、国境付近のかなりの地域はトルコ軍やシリアの親トルコ勢力が占領しているため、この問題の決定権は米国よりむしろトルコが握っていると言えそうだ。
(引用終了)

そんなこんなでトランプ政権の対ISIS戦略を予測してきたわけですが、BBC記事と過去の自分のブログ記事を比較するに、外した部分あり、ぼんやりとしか予想できなかった部分多々あり…といった感じで、(自分はまだまだ精進が足りないなぁ…)といった印象です。もっと勉強が必要ですね。