そんな状況の中、ロシア国営プロパガンダメディアであるスプートニクが次のような記事を配信していました。
ハッカー 「ダーイシュ(IS)」フォロアーに「ゲイポルノ」を配信
(引用開始)
ハッカー集団「WauchalaGhost」が国際テロ組織「ダーイシュ(IS,イスラム国)」の支持者に所属するツィッターの250以上のアカウントに潜入し、男性同性愛者の写真や「ゲイポルノ」のリンクを配信した。インディペンデント紙が報じた。
(中略)「WauchalaGhost」はテロリストのプロフィールの追跡には1年半を要したが、実際の潜入を思い立ったのは米オーランド州のゲイナイトクラブでの乱射テロの後だと明かしている。このテロでは49人が死亡し、米国史上最悪の銃撃事件に発展した。潜入したハッカーらに対して、「ダーイシュ」は斬首を脅迫している。
(引用終了)
配信元がプロパガンダメディアであるスプートニクですので、裏を取らねばなりません。
確認してみたところ、このケースでは確かに英インディペンデント紙はそうしたニュースを報じていました。
Hacker takes over 200 Isis accounts and fills them with gay porn
記事を読むに、ハッカー集団 'WauchalaGhost'は、250ものISIS系アカウントを乗っ取り、ゲイポルノ画像やゲイポルノへのリンクをツイートしたようですね。斬首を脅迫されている旨は、CNNのインタビューで語られた内容のようです。
スプートニクが、ゲイポルノを題材とした日本のネットミームである「淫夢」を知った上で日本語で報道したのかは定かではありませんが、結果的に「淫夢」を知る日本のネットユーザーにとりエンタメ要素も含んだ「面白い」報道であった事は確かであろうと思います。
気がかりなのは、当のゲイの人々がこの事をどう考えるか、という事ですね。
多くの日本のネットユーザーと同様「淫夢」ネタを頻繁に用いる私が申し上げるのも気が引けるのですが、この件は言わばゲイをISISへの嫌がらせの手段として用いた行為であり、例え相手がISISであろうとも倫理的にも、性的マイノリティの人権を考える上でも問題があると考えております。