まずは、防衛省・統合幕僚幹部ホームページに掲載された情報を見てみましょう。
01/09[公表]中国機の東シナ海及び日本海における飛行について
http://www.mod.go.jp/js/Press/press2017/press_pdf/p20170109_01.pdf
この発表によりますと、対馬近辺を飛行し、日本海に飛来したのはY-8早期警戒機×1,Y-9情報収集機×1,H-6爆撃機×6機が飛来したとの旨です。特筆すべきは、H-6爆撃機が6機飛来した事と言えるでしょう。これは、かなり多い飛来数と言ってよいかと考えます。
次に、中国機は韓国に近接する対馬近辺を飛行していたゆえ、韓国空軍もスクランブル発進を実施していると推測しました。この推測は的中していました。以下の韓国聯合ニュースの記事をご覧ください。
中国軍用機約10機 韓国南の防空識別圏内に進入
(引用開始)
中国の軍用機約10機が9日午前10時以降、午後3時ごろにかけて韓国南部・済州島の南の岩礁、離於島付近の韓国防空識別圏に入った。これに対し韓国空軍のF15やF16戦闘機約10機が緊急発進(スクランブル)していたことが、韓国政府筋の話で分かった。中国の軍用機のうち8機は大韓海峡(対馬海峡)を通過し、日本の防空識別圏まで飛行した。
(中略)
中国の軍用機は昨年2月に2機、8月に3機、韓国防空識別圏に進入したが、韓国空軍の戦闘機約10機が緊急発信して対処するのは異例だ。
(引用終了)
では、今回の中国軍機飛行の目的は何だったのでしょうか?先に引用した聯合ニュース記事内には、それを分析する内容も含まれています。
(引用開始)
中国の軍用機が離於島付近の韓国防空識別圏に入り大韓海峡を通過したのは、南シナ海問題などで圧力を強める米国と日本に対する一種の武力誇示と分析される。韓国政府筋は「中国の軍用機の飛行航路からすると、韓国を直接狙ったものとは分析されない」と慎重な反応を示した。 一方、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射で威嚇しようとする北朝鮮に対し、日本が大韓海峡一帯に配備した艦隊の動きを探るものだったとの観測もある。あるいは、韓国と日本を同時にけん制する措置だった可能性もあるとされる。
(引用終了)
日米韓どの国に対するデモンストレーションであったのかは、まだ断定できない状況と言えそうです。
>大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射で威嚇しようとする北朝鮮に対し、日本が大韓海峡一帯に配備した艦隊の動きを探るものだったとの観測もある
との部分より、BMD任務を担う海上自衛隊イージス艦の情報収集も目的の1つであった可能性も考えられるでしょう。
一方、中国側は今回の自国軍機の飛行は定例のものであると表明しています。中国政府系メディア人民日報英語版は、次のようなタイトルの記事を出しています。
Japan panics over routine air training over East China Sea
「日本は東シナ海上空における定例の航空訓練でパニックに陥った」とでも訳しましょうか。
防衛省・統合幕僚幹部ホームページには2017年1月10日付で、日本海の中国海軍艦艇の動向が紹介されています。
01/10[公表]中国海軍艦艇の動向について
ここに記載された3隻の中国海軍艦艇は、2017年1月5日に津軽海峡より日本海へ航行し、1月10日に対馬海峡を通過したとの旨です。
東シナ海や南シナ海のみならず、日本海における中国軍の動向にも注意を払うべき必要があると考えます。
PS:韓国人のフォロワーの方とやりとりによれば、韓国では今回の中国軍機の飛来より、朴槿恵政権のスキャンダルに関する内政問題がより重きを置いて報道されているとの旨です。
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