2017年1月13日金曜日

「テロリスト御用達?」メッセンジャーアプリTelegramとは

昨日2017年1月12日に放送されたBS1「国際報道2017」の特集は、インドネシアを舞台にしたISISの新たなテロリスト育成戦術のレポートでした。

従来、ISISは外国人をリクルートし、支配地域まで渡航させ軍事訓練を積ませる手法や、ネット上に流布させたプロパガンダに感化させ、母国でテロ行為を実施させる手法を取ってきました。しかし、ISIS支配地域への渡航規制強化(国連安保理決議2178  http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/is_sc/page23_001173.html 等)、SNS上におけるISISプロパガンダの規制強化(Twitter上でも、数多くのISIS関係者と思しきアカウントが凍結されましたよね)等対策が取られ、ISIS側も新たな手法を模索しているようです。その手法の1つが、「遠隔でテロリストを育成する」事なのだそうです。以下、該当番組のウェブサイトをご覧ください。

2017年1月12日(木)

ジャカルタテロから1年 衝撃 IS“養成マニュアル”
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2017/01/0112.html

この特集内で、気になる文面があります。
> こうしたマニュアルや計画に関する情報は、メッセージを自動で消去できる通信アプリを介して、活発にやりとりされているとみられています。

当局による監視を難しくしているこのアプリは、実は誰もが簡単に利用可能なものです。
その名はTelegram.ドイツ・ロシアのメッセンジャーアプリです。
iOS,Android,Windows,Macと様々な媒体から利用できます。
iOS版:https://itunes.apple.com/jp/app/telegram-messenger/
Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=org.telegram.messenger
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ、サウジアラビアの衛星テレビ局アルアラビーヤもTelegramにアカウントを持っているほか、2016年11月3日には中東においてプレゼンス増大著しいロシアの外務省がアカウントを開設しました。それだけ、中東地域に普及しているメッセンジャーアプリということでしょう。私も時折使用しますが、LINEやFacebookメッセンジャーと比較し、シンプルで使いやすいメッセンジャーアプリという印象です。

特集では、
>「アカウントが凍結されても、何度も何度も新しいものを作ればいいのです。
ソーシャルメディアを使えば簡単にやりとりができます。」
とのISIS支持者の言葉が紹介されていますが、Telegramの使用においては携帯電話のSMS(ショートメール)による認証が必要とされます。おそらくは、プリペイドSIM等を活用し、そうした認証をかいくぐっているのではないかと推測します。

Telegramは韓国関連で話題になった事もあります。韓国国内で普及しているメッセンジャーアプリ「カカオトーク」の韓国当局傍受疑惑が浮上し、多くの韓国人がTelegramに「サイバー亡命」を行いました。以下、韓国ハンギョレ新聞2014年10月5日付の記事をご覧ください。

“サイバー亡命”特需でテレグラムが韓国市場に本格参入か
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18436.html

この「サイバー亡命」のエピソードもまた、Telegramの監視の困難さを象徴するものと思います。

テロリストによるTelegram使用に、国際社会の警戒が高まる事を期待します。

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