2017年2月19日日曜日

妨害電波減少? 日本が行う対北朝鮮短波放送のご紹介

敵対する国に対して行われるラジオ放送は冷戦時代の遺物と捉えていらっしゃる方も多いかと思います。しかし、その認識は誤りと言わねばなりません。現在も、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)やラジオ・フリー・アジア(RFA)といった放送局が存在し、放送を行なっております。そして日本も、北朝鮮向けにそうした放送を行なっているのです。まずは、以下の産経新聞の記事をご覧ください。

対北ラジオ放送「しおかぜ」 北の妨害電波激減 電力不足か 金正男氏暗殺を週明け以降放送
http://www.sankei.com/world/news/170219/wor1702190020-n1.html
(引用開始)
 拉致問題を調べている「特定失踪者問題調査会」(荒木和博代表)の北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」に対する北朝鮮の妨害電波の頻度が落ちていることが18日、分かった。原因は特定できていないが、電力の6割を賄う水力発電の供給力低下があるとの見方が出ている。北朝鮮では、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、正男(ジョンナム)氏の暗殺は公式報道されていないが、しおかぜは週明け以降、ニュースとして伝えるという。
(中略)
 しおかぜを放送する茨城県内の送信所は概算で毎時最大500キロワットの電力を消費する。対する北朝鮮は放送機材やインフラなどの劣化から電力ロスが相当に出るとの見方を加味。同程度の電力が必要だが、その確保が難しいのではないかと、同会はみている。
(引用終了)
日本が行なっている対北放送の1つに、この「しおかぜ」が挙げられます。記事中にあるよう、民間団体特定失踪者問題調査会が行なっているものです。公式サイトはこちら。
http://chosa-kai.jp/shiokaze.html
記事中にある、出力500kwはかなり大きな出力と言えます。例えば、東京の大手民放ラジオ局であるTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送共に出力は100kwです。AM放送と短波放送の違いこそあれ、それ以上の出力を、民間団体がまかなっている事は特筆に値するかと存じます。ご関心をお持ちの方は、是非ともカンパを推奨します。

日本が行うもう1つの対北放送は、日本政府が実施している「ふるさとの風(日本の風)」です。公式サイトはこちら。
http://www.rachi.go.jp/jp/shisei/radio/

試しにこうした放送を聴いてみたい、と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?それには通常のAM/FMラジオではなく、短波放送も受信可能なラジオが必要です。

私が使用しているのは SONY ICF-SW11 FMラジオです。しかし、「しおかぜ」「ふるさとの風」の受信であればそれほどの感度は要求されないと思いますので、オーム電機 OHM 株・競馬たんぱラジオ S520 RAD-S520Nあたりの比較的安価なもので十分かと思います。

深夜にラジオのダイヤルを回していると、中国語、韓国語、時折英語…と様々な言語での放送が受信でき、なかなか楽しいものです。北朝鮮のプロパガンダ放送である「朝鮮の声」放送など、一度聴くとその種の趣味を持っている方は病みつきになるかと思います。

今回のニュースは、ラジオ好きとして、そして何より拉致被害者の方々のご帰国を願う者として喜ばしいものです。 「しおかぜ」「ふるさとの風」が、今なお北朝鮮に取り残されている多くの拉致被害者の耳元に届く事を願うばかりです。

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