2017年3月14日火曜日

上坂すみれさんサハリン行! 「文化外交」の意義とは何か

今月10日~14日にかけて行われた上坂すみれさんのサハリン訪問は本当に意義深いものであったと思います。

やはり、まずは偉大なプロデューサーであった故・櫻井孝昌さんの遺志を継いでサハリンにて日本文化イベントを行えたこと、そのものが良かったと感じています。櫻井さんなくして、今後の文化交流イベントはどうなってしまうのかと心配していましたが、上坂さんをはじめ数多くの方々が櫻井さんのご意志を受け継いだ事で今回のイベントが実現できたのであろう…と感じています。

次に、イベントが開催された場所がロシア西部の大都市、モスクワやサンクトペテルブルクではなく、極東の地方都市ユジノサハリンスクであるという点です。

大都市であれば、日本の文化に親しむ人が数多くいらっしゃるのも納得がいきます。しかし、ロシア極東の地方都市で日本文化交流イベントが開催できたという事実は、伝統的なもの、大衆に親しまれるポップカルチャーといったもの、双方を合わせた日本文化が、いかに浸透性が高いものであるかを示すものであると思います。浸透性の強い日本文化は、外交の大きなツールになってくれるものと改めて認識させられました。

また、ロシア極東は今後注目される地域です。
現在、ロシアは極東で中国と接しています。しかし、ロシアにとり中国という隣人はいささか大きすぎるきらいがあります。人口の少ないロシア極東部のすぐ南に、人口13億人・GDP世界第2位の大国が存在するのは、少々アンバランスな状況と言わざるを得ません。
そこで、日本とロシアの極東における協力が活発化すれば、日本・ロシア双方ともに中国への依存度を下げる事ができ、なおかつ中国に対する発言力を増大させることが可能です。
そうした意味合いで注目されるロシア極東に、文化の力という極めて平和的な形で日本の魅力を発信することができた、その意義も非常に大きいのではないか?と考えます。

というわけで、「櫻井さんのご意志を引き継ぐことができた」、「日本文化の浸透性の高さを示すことができた」、「これから注目されるであろうロシア極東地域に、文化の力で足跡を残せた」の3点で、今回の上坂すみれさんのサハリン訪問は非常に有意義であったと思います。

特に、ロシア極東に関してはドミトリー・トレーニン先生の「ロシア新戦略――ユーラシアの大変動を読み解く」が最も参考になるかと思います。和訳には、Twitterでもお馴染み小泉悠さんが参加なさっています。ご関心をお持ちの方はどうぞ。

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