2017年3月12日日曜日

本物の石油王来日! サウジ・サルマン国王訪日の傾向と対策

Twitter上では石油王と結婚したい人の増加が目立っていますが、遂にその夢が叶う可能性が微粒子レベルで存在する時がやってきました。サウジアラビア・サルマン国王の来日です。しかしお歳が81歳との事なので、結婚相手には少々不向きかもしれません。

サウジアラビア国王 きょう 46年ぶりの来日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170312/k10010907971000.html 
NHKの記事内で気になるのはやはりこの部分。
(引用開始)
 一方、サウジアラビアの実業家フセイン・ショボクシさんは、経済改革への協力をめぐり、サルマン国王は、日本のあとに訪れる中国にも大きな期待を寄せていると指摘します。



ショボクシさんは「中国は、この地域がお金になると考えているだけでなく、戦略的な国益を重視して入り込んでおり、すでに紅海沿いの経済都市構想で港湾などを含めた計画から完成まで丸ごと手がけるプロジェクトを進めていて、長期間の投資を約束している。サウジ側としては、中国との競争意識から日本も同じように関心を持ってもらいたいと考えている」と話し、サウジアラビアとしては、石油の供給元としての立場を最大限利用して、日本と中国を両てんびんにかけていると分析しました。
(引用終了)
 
そんな中で、日本側はサウジアラビア国営石油企業「サウジアラムコ」の東証上場に向け積極的に動いているようです。私が今回の国王訪日で一番注目しているのも、このサウジアラムコ上場に関してです。
 
サウジ・アラムコ東証上場要請へ 
http://jp.reuters.com/article/idJP2017030901001556
(引用開始)
 安倍晋三首相は12日に来日するサウジアラビアのサルマン国王との会談で、世界最大の石油会社、国営サウジ・アラムコの新規上場先に東京証券取引所を含めるよう要請する方針を固めた。複数の政府筋が9日、明らかにした。アラムコの時価総額は、上場すれば米アップルを抜き世界最大になると言われる。首相としてはアラムコの株式を呼び込み、東証の活性化につなげる狙いがある。
(引用終了)
 
米政権交替前の少々古い記事ですが、サウジアラムコ上場に関してはこちらの記事も興味深いです。
 
サウジアラムコ上場 誘致大作戦
https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_0106.html 
この記事中の
(引用開始)
米サウジのすきま風 日本の追い風になるか?

“ニューヨーク上場に黄信号”という情報が流れる背景には何があるのでしょうか?

主な要因と見られているのは、サウジアラビアとアメリカの関係悪化です。去年9月末、アメリカで、15年前に起きた同時多発テロ事件の遺族がサウジアラビア政府に対し、損害賠償を求めることを可能にする法律が成立しました。首謀者のオサマ・ビンラディン容疑者と実行犯の多くは、サウジアラビアの出身だったからです。

これに対し、サウジアラビアは猛反発。さまざまな外交・経済ルートを通じて、撤回を働きかけています。サウジアラビアの重要閣僚は、日本の大手石油元売り会社の首脳にも電話をかけ、法案撤回への日本の協力を要請しました。こうした中で、サウジアラビアがアメリカに対する報復として、サウジアラムコのニューヨーク上場に慎重な姿勢に転換したというのが、“黄信号説”の根拠です。
(引用終了)
この部分が、現在ですとトランプ政権の反イスラム主義的な政策に伴う「黄信号」として置き換わるのかもしれません(いささか安直か?)。

そして、サウジアラムコ上場に関してもやはり中国との競争が存在します。
(引用開始)
 もう1つの狙いとして、中国への対抗意識もあります。中国は今や日本を抜いて、サウジアラビアにとって最大の原油の販売先となりました。中国の政府高官は、サウジアラビアに頻繁に行き来しては、香港への上場を働きかけています。日本政府の関係者からは「中国に負けられない」とライバル意識むき出しの声も聞こえてきます。
(引用終了)

更にはサウジ・イラン関係の問題も。
(引用開始)
 株式上場は安全保障政策

サウジアラビアから帰国した東証幹部は「上場先の判断は、半ば政治的に決めていくだろうという印象を持った」と話しています。

株式上場という経済的な事案を、なぜ政治的な事情で判断するのでしょうか。その答えは、中東とエネルギーをめぐる情勢の歴史的転換の中に見いだせそうです。サウジアラビアは長年、ペルシャ湾の対岸にあるイランと対立し、後ろ盾であるアメリカに守られている状態にありました。

しかし、去年、オバマ政権はサウジアラビアの反対を押し切って、イランと核開発問題をめぐる歴史的な合意にこぎ着けました。一方、エネルギー情勢に目を転じると、アメリカはシェール革命の恩恵で原油生産が飛躍的に増大し、エネルギーの自給自足に向かっています。

この結果、石油市場の安定のために、中東地域に関与する必要性が低下しつつあるのです。こうした情勢の変化を受けて、サウジアラビアは、安全保障のパートナーの多角化を模索していると見られています。

ムハンマド副皇太子は、中国で習近平国家主席と会談、ロシアではプーチン大統領と会談するなど、精力的に世界を飛び回っています。サウジアラビア政府の関係者の1人は「安全保障の新たなパートナーを考慮しながら、株式の上場先や売却先を選ぶのは自然な流れだ」と話しています。
(引用終了)
これまた安直な話になりますが、政治面を考慮するとイランと関係の深い中国よりは、米国の同盟国たる日本の市場の方が、サウジにとり魅力的な選択肢となりうるのではないか?との印象を受けます。

日本市場、東証にもチャンスが巡ってきたということで、是非ともサウジアラムコ上場に向け官民共に全力でサルマン国王への働きかけをして頂きたい…と願うばかりです。

(追記)
フライトレーダーで追跡した結果、石油王搭乗機は18:44頃無事に羽田に降り立ったことが確認できました。どうぞ日本を楽しんでください!ハラール系の対応は日本はあまりできてないのでごめんなさい…

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