2017年8月26日土曜日

J-PARC一般公開に行ってきました

8.20は大強度陽子加速器施設(J-PARC)一般公開に足を運びました。

東京から常磐線に揺られること3時間、東海駅で下車。
受付を日本原子力研究機構で済ませます。
受付が終わるとJ-PARCパスポートを頂きます
バスに揺られること5分ほど。J-PARC構内に入ります。構内の建物の撮影は禁止とのことでした。

研究棟3階で素粒子物理学が得意なフレンズ、 多田将先生の講演を拝聴しました。



紅茶とスコーンを頂きながら味わう優雅な講演。

アインシュタインによる特殊相対性理論と一般相対性理論の解説に始まり、タイムマシンは未来への片道切符のものであれば実現可能であること、「どこでもドア」は実は行き先がどこになるかわからない「どこへかなドア」となってしまうこと、宇宙戦艦ヤマトの推力は計算上40ジュールにしかならず、コスモクリーナーをイスカンダルへ取ってきて戻ってくる頃には既に地球は滅びているであろうこと… いやー、「物理学ってすっご〜い!」な講演でした。

講演の後はMR加速器を見に、地下25mへと潜ってみました。陽子を光速の97%まで加速するという施設の中央部とのこと。放射線の関係で、機器はもちろんのこと、壁に触れることすら禁じられていました。奥の方で、右側がハドロン実験施設、左側がニュートリノ実験施設へと分岐しています。









ハドロン実験施設がこちら。ビッグバン直後の物質の創生や重さの起源といった、壮大なテーマの研究がここでなされているとのことです。
 中性子実験施設も見てみましょう。水に反応しやすい中性子の性質を利用し、タンパク質の構造を解析する等といった研究が行われているとの解説でした。中性子爆弾で人間が殺傷可能なのは、こうした性質を有していたからなのか…とぼんやり考えつつ見ておりました。
こちらはニュートリノ実験施設前置検出器の様子です。ニュートリノ実験施設で発生させたニュートリノビームは一度ここで測定されたのち、295km先の観測施設「スーパーカミオカンデ」に打ち込まれ、観測されます。これをT2K実験と呼称し、昨今では物質と反物質の性質の違いである「CP対称性の破れ」を90%確認する大きな成果をあげたとのこと。
これを99.999...%まで高め、「CP対称性の破れ」を証明することがT2K実験の大きな目標であるそうです。

電磁ホーン試作機、カミオカンデの観測装置等。


数学を三角関数で投げ出し、理科系の科目は消去法で選んだド文系な私ですが、実は子供の頃は科学少年でした。童心に帰って、科学のロマンを存分に味わえた一般公開だったように思います。J-PARCの方々には、日々の研究に尽力し、世界に誇れる成果を出して頂ければと願うばかりです。
素粒子物理学が得意なフレンズ、多田将先生のこちらのインタビューもおすすめですよ。

宇宙の謎に迫る世界最先端の“すごい実験” ~究極の物の“中身”、素粒子を知る~ 素粒子物理学者・多田将 さん
http://toshin-sekai.com/interview/20/

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