2017年2月9日木曜日

プーチン大統領訪日と北方4島元住民の皆様の思い

記憶に新しい2016年12月のプーチン大統領訪日。北方4島での共同経済活動に向けた交渉を開始することで合意するなど、今までとは少々変わった交渉ではありましたが、領土問題に関して言えば目立った進展は無かったと言えるかと思います。

この現状に対し、北方4島元島民の方々はどう思っていらっしゃるのか。
朝日新聞北海道報道センターの関根和弘記者が関連記事を執筆していらっしゃいました。

 (記者有論)北方領土巡る首脳会談 「成果」に失望深い元島民 関根和弘
http://www.asahi.com/articles/DA3S12788132.html 

関根さんは読者との繋がりと非常に大切になさっている方で、私もSNS上でのやり取りの他、直接お目にかかってお話を伺った事も何度かあります。非常に誠実に人と向き合い、取材をなさっている素晴らしい記者の方との印象を抱いております。
上坂すみれさんのファンの方には、こちらの動画を作成した記者の方、と言えばお分かりになるでしょうか?

そのような関根さんの執筆した記事であるからこそ、この記事を私は深刻に感じます。私はプーチン大統領訪日と首脳会談を評価していましたが、その考えは多くの元島民の方々とギャップのあるものだったのです。登録して記事を全文ご覧いただければわかりますが、「政治利用された」と感じた元島民の方もいらっしゃったとのことで、このギャップは極めて深刻なものです。

Twitter上でのやり取りにて、関根さんより次の記事のご紹介もして頂きました。

択捉・国後めぐり深い溝 岩下明裕さん
http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20161208011610001.html
こちらのインタビューはプーチン大統領訪日前のものですが、それを終えた今読むに、岩下先生は非常に的確な分析をなさっていたのだとわかります。特に共同経済開発に関しては、日本側は特別な法制度と言うものの、実質的にはロシアの法律が適用されると考えられるだけに非常に気掛かりです。

プーチン大統領訪日が決まったと聞いた際、私は「ひょっとして2島先行返還がなされるのではないか」とまで期待していました。訪日が近づくにつれ、多くのロシア研究者の方々が「期待しすぎない方が良い」との論考を出したために、さすがに考えを変えましたが、訪日が終わるまで楽観的な印象を抱いていたのは事実です。

元島民の方々とのギャップのある考えを抱いていたこと、プーチン大統領訪日に過剰な期待をしてしまった事を深く恥じる思いです。

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