2017年2月10日金曜日

軍事プレゼンスの発揮と「安全地帯」 シリア内戦におけるトルコの存在感の変化

シリア内戦におけるトルコは、以前は反体制派の戦闘員・武器類の経由地点、もしくは難民の受け入れ先、あるいは有志連合への空軍基地の提供といった意味合いで存在感を発揮してきた印象ですが、2016年8月からのトルコ軍対シリア領内地上部隊派遣、そして同年12月のロシアと共同で主導した停戦合意、更にはトルコ・ロシアの共同作戦による空爆…と、この半年程でトルコのシリア内戦における存在感が変化したような印象です。

昨今では、このようなニュースもありました。以下、BBC日本語版の記事をご覧ください。

ロシア誤爆でトルコ兵士3人死亡 プーチン大統領が弔意
http://www.bbc.com/japanese/38927336 

2015年11月の、トルコ空軍F-16によるロシア空軍Su-24の撃墜事件により、両国の関係が極度に悪化した事が信じがたいほど、関係改善がなされています。

また、トルコの「安全地帯」設置も注目に値します。この事は、以前のブログ記事で記述した通りです。
http://kimk91fw.blogspot.jp/2017/01/blog-post_26.html 

「安全地帯」に関しては、アサド政権側から見れば主権の侵害に当たるゆえ反発が予想されますが、アサド政権を支援するロシアと良好な関係を維持しているトルコを見るに、アサド政権側もそれほど激しい反発はせず、黙認するのではないか?といった印象を抱いています。

というわけで、個人的にはトルコの設置した「安全地帯」にロシア、そしてトランプ政権や湾岸諸国が相乗りし、アサド政権も黙認する…といった予想をしています。

ロシアとの関係改善、軍事プレゼンスの発揮、そして「安全地帯」の設置と、シリア内戦における存在感に変化が見られるトルコに関して、今後とも注視していきたいと考えます。

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