2017年3月28日火曜日

ロシア反政府デモをスプートニクはどう伝えたか

ロシアで反政府デモが行われたのは皆様のご承知の通りでしょうが、興味深い事にロシア政府系プロパガンダメディアであるスプートニクもこの事を報じています。
ロシア政府に都合の悪い事を書かないプロパガンダメディアによるロシア反政府デモ報道を読むのも興味深い事と思いますので、ちょっと見てみましょう。

モスクワで開かれた無許可の反汚職デモの結果【写真・動画】
https://jp.sputniknews.com/russia/201703273477967/ 

タイトルからして、「無許可」を強調している感じですよね。
(引用開始)
 26日、ロシア各地で無許可の反汚職デモが開かれ、拘束者が出た。うち最も拘束者が多かったのはモスクワだった。ロシアのメディアは消息筋の情報として、首都モスクワでは500人から850人が拘束されたと報じている。
(引用終了)
NHKの報道によりますと、主催者側の発表ではモスクワでの拘束者は1000名程度との事です(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170328/k10010927051000.html).

(引用開始)
ロシア内務省モスクワ市支部は、警察官1人が負傷したことを明らかにした。「警察の第2機動隊のスタッフ1人が、デモ参加者の1人に頭部を殴られた。警察官は外傷性脳損傷を負い、手当のため医療施設に搬送された」と発表された。
(引用終了)
このように、市民の被害よりは警察側の被害の方に重点を置いて報道しています。

記事中にて紹介されているデモの映像も、激しい衝突のシーンを映したものではありません。日本で言えば、警察の機動隊に相当すると思しき部隊がじわじわとデモ隊に向けにじり寄ってくるシーンを映しているのみです。

ギャラリーでも、警察と思しき治安当局者の写真は出てきますが、内務省の治安部隊である水色の制服を着たOMONの写真は出てきません。

OMONの荒っぽさは、朝日新聞モスクワ支局長の駒木さんのTwitterより確認してみてください(https://twitter.com/akomaki) .

(引用開始)
ロシア大統領府ペスコフ報道官は、26日日曜、モスクワで行われた無許可の集会参加者らについての記者団から質問に答え、「大統領府は市民の立場を尊重し、市民の立場を表明する権利を尊重している。だがこうしたケースを我々が尊重するのは、市民の立場が現行の法律に即した形で行われ、わが国の法律に従って合意された場所で表される場合だ」と語った。
(引用終了)
BBCの記事によりますと、今回のデモは99都市中72都市で許可が降りなかったとの事です(http://www.bbc.com/japanese/39402098) .そもそも許可を降ろさなかったケースが多い事を踏まえると、ペスコフ報道官の言葉も虚しく響いてしまいます。

というわけで、スプートニクは改めてプロパガンダメディアなのだなぁ…といった印象を抱いた報道でした。

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